アフターコロナ時代の耳鼻咽喉科医療体制の充実に向けて
私たち開業医は、アフターコロナ時代の耳鼻咽喉科医療を見直さなければなりません。これまでの急性疾患中心の医療から嚥下障害や難聴などの慢性疾患に軸足を移す必要があります。そしてそのためには、高齢者の方などの生活に寄り添い、患者様のQOL(生活の質)向上に努めなくてはならないのです。外来診療のあり方を大幅に見直すことによって、私たち耳鼻咽喉科開業医の役割はより重くなるでしょう。
さらに、今回のコロナ禍の教訓を、次のパンデミックの対応に生かさなければならないということです。コロナ禍はいまだ終息していませんが、われわれのパンデミックに対する知見は大きく広がりました。これらの知見を蓄積し、仮に10年後にパンデミックが起こった時でも、すばやく、冷静に、対処しなければなりません。
こういった「アフターコロナ時代の耳鼻咽喉科診療体制」の構築に向けて、臨床耳鼻科医会はすでに動き始めています。全国の開業医のみなさまと、知見と情報を共有し連携することで、国民のQOLの向上やパンデミックの拡散防止などに大きく寄与することができます。みなさまのご協力の程、心よりお願い申し上げます。
臨床耳鼻科医会の発足以前より、「医会と学会は車の両輪」と申し上げてまいりました。これまでの2年間で(一社)日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会との役割分担はより明確なものとなり、良好な関係を維持しながら効率的な組織運営ができるようになったと考えております。今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。
これからも、全国47都道府県の耳鼻咽喉科医会を連携させ、会員である7,311人の耳鼻咽喉科臨床医の力を結集させて、地域医療の充実に努めて参ります。変わらぬご支援の程、よろしくお願い申し上げます。