このように耳鼻咽喉科を取り巻く環境は急速に変化しています。我々はこの変化に積極的に取り組み、これを好機として新しい耳鼻咽喉科診療の姿を会員の先生方とともに考え、作り上げていきたいと思います。
すでに、我々は3年前に日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会と共同で「耳鼻咽喉科頭頸部外科医療の未来プラン」を策定し、この内容を厚生労働大臣にも要望書として提出し、理解と支援をお願いしています。
「耳鼻咽喉科頭頸部外科医療の未来プラン」
1.耳鼻咽喉科頭頸部外科の専門性をより発揮できる診療体制の構築
2.花粉症対策の推進
3.耳鼻咽喉科関連フレイル対策の推進
4.新興感染症対策の推進
5.在宅医療の推進と診療報酬の再評価
6.周産期・小児医療への積極的な関与
7.ワクチン接種の推進
8.学校医の柔軟な運用
9.耳鼻咽喉科救急医療の充実と再構築
10.全世代を通しての難聴対策「難聴対策基本法」の制定
11.働き方改革への対応
12.かかりつけ医としての専門性の確立
13.医療DXの推進
14.耳鼻咽喉科専攻医のリクルート
15.耳鼻咽喉科医の教育と育成
特に超高齢社会における難聴対策は重要な課題であり、学会と協働してマスコミ等を通じた大規模なキャンペーンを展開しています。難聴はコミュニケーションを阻害し、日常生活の質を低下させるだけでなく、認知症との関連や転倒などのリスクを高めるなど、中高年の皆さんにとってその対策は重要な課題ではあります。また、ヘッドホン・イヤホン難聴は大きな音量で音楽などを聞き続けることにより不可逆的な難聴が徐々に進行します。加齢による難聴もヘッドホン・イヤホン難聴も徐々に進行するために本人が自覚しにくいという側面があり、聴覚を専門とする我々耳鼻咽喉科医が積極的に介入していく必要があります。
我々は耳鼻咽喉科医の職能団体として国民の健康に貢献できるよう、さらなる努力を続けていきます。
(令和8年6月)

